かつては、人間は特定の数の脳細胞を持って生まれ、その数は年齢を重ねるにつれて減少するのみ、と信じられていました。小学生とトランプゲームの「神経衰弱」で対戦して到底勝ち目がないのも、目的があって立ち上がったのに何のために立ったのか思い出せなくなるのも、「歳のせい」「仕方がない」と苦笑して済ませていませんか?近年の研究によると、脳細胞の総体数は何もしなければ確かに加齢と共に減少するものの、誰しも新しい脳細胞を生成する能力を持っており、生活習慣によっては認知機能を改善することができるのだそうです(これがneurogenesisと呼ばれている現象)。
ではどうすれば脳細胞を生成できるか?米国ハーバード大学の教授が発表した動物実験の結果によると、心拍数を適度に上げて一定レベルに保つ運動(ジョギング、パワーウォーキング、水泳など)が効果があったそうです。また、ストレス管理と健康的な食生活も脳細胞の生成に大きな影響を与えることは、デイヴ・アスプリー著「HEAD STRONGシリコンバレー式頭がよくなる全技術」に詳細な説明があります。そして、脳は筋肉と同じように使うことで強くなり、使わないと退化してしまうもの。読書や数独、クロスワードパズルなど、特に頭脳を使う方法は色々ありますが、今回はゲーム感覚で楽しめる脳トレーニングアプリをご紹介します。
「Memorado(メモラード)」とは?
今欧米で脳トレスマホゲームアプリが人気で、いくつかのゲームが特に高く評価されています。特にこのメモラードや、Lumosityというゲームアプリの人気が高いです。これらのゲームアプリは、記憶力、集中力、反射神経、論理思考力、数学力を磨いて認知機能を強化し、生活の質の改善を目指すアプリ。ゲームで脳をトレーニング、更には心地よい音で心を落ち着かせ、眠りの質改善も期待できます。
アプリには大きく3つのセクションがあります。「Mentor」(メントア)セクションには、お勧めゲームやお勧めストーリーのメニュー。「Games」(ゲーム)セクションには、36種類のゲーム(各ゲーム30レベル)。「Audio」(オーディオ)セクションには、13種類の心をリラックスさせるストーリー。言語設定を変更すると日本語で聴けるストーリーもいくつかあります!ゲームの結果や聴き終えたストーリーの記録が残り、統計ページに認知機能の個人スコアや800万人以上のユーザーとの比較値が表示されるのです。
無料で利用できる機能
無料版でも全てのセクションにアクセスでき、統計も表示されますが、アクセスできるゲーム数やストーリー数が限られます。
有料プレミアム機能
プレミアムにアップグレードすると、全てのゲームとストーリーにアクセスでき、個人の目的に合ったカスタムトレーニング内容が毎日アップされます。
私は数年前にがん治療を受けた後、セラピーに通い身体機能と認知機能両方のリハビリを受けた経験があります。担当セラピストの言葉通り、まずは体力が徐々に回復し、続いて認知機能が回復してきました。適度な運動が脳を刺激したと感じました。タイミングとしては、ジョギングができるようになると同時に認知機能が急速に蘇ってきた事をよく覚えています。また、セラピストにこのアプリを利用した脳トレーニングを薦められ実践したところ、相乗効果があったように思います。セラピストのようなヘルスケアのプロが患者に勧めているだけのことはある、と思いました。
スマホゲームをやりすぎると頭が悪くなる、と思われている人。子供がスマホゲームをやりたがって困っている人。このアプリは強力な味方になるかも。特に小さい子供は普通のゲームもこうした脳トレゲームも同様に興味津々。是非試してみては?
メモラード(memorado)オフィシャルウェブサイト
参考記事:ハーバード医科大学「Harvard Health Publishing」2016年9月
著者プロフィール |
-Haru-
1971年生まれ。自身の健康を微塵も疑うことなく生活し44年、第3ステージ乳がん告知を受け、カナダ・オンタリオ州で抗がん剤治療、手術、放射線治療、ホルモンセラピーを受ける。以降、がん再発防止と家族の健康維持のため、ボディ&マインド両面から究極の健康法を探求中。
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