入浴剤に含まれている避けるべき化学物質
入浴剤もさまざまな種類がありますので、含まれている成分も商品によって特長が異なります。まずはいくつかの商品の成分表を見ていきましょう。
温泡(ONPO) ボタニカル入浴剤 ナチュラルフローラル 4種
【有効成分】炭酸水素Na、乾燥硫酸Na、炭酸Na【その他の成分】コハク酸、デキストリン、PEG6000、ケイ酸Ca、カモミラエキス-1、ローマカミツレエキス、ローズマリーエキス、ノバラエキス、アロエエキス-2、ヨクイニンエキス(ハトムギエキス)、オトギリソウエキス、シナノキエキス、トウキンセンカエキス、ヤグルマギクエキス、クロレラエキス、流動パラフィン、BG、香料
ヤングビーナス
【有効成分】セスキ炭酸Na、【その他の成分】ホウ酸、酸化チタン、別府温泉精製湯の花エキス、加水分解カゼイン液、ポリアクリル酸Na、ポリアクリル酸、ベントナイト、香料、黄202(1)、精製水
バスクリン入浴剤 ジャスミンの香り
【有効成分】乾燥硫酸ナトリウム、炭酸水素Na【その他の成分】L-グルタミン酸ナトリウム、ホホバ油、無水ケイ酸、デキストリン、アラビアゴム、ヒドロキシプロピルセルロース、香料、黄202(1)、黄4、青2、青1、粘度調整剤
流動パラフィン
気になる成分をピックアップしてみました。
香料
フレグランスとも呼ばれている合成香料の一番の懸念材料は、その細かな成分の表示義務がない点。シャンプーや石鹸をはじめ入浴剤などの美容品や日用品の香料にはほとんどといってフタル酸エステルが含まれていると思われます。フタル酸エステルは人間のホルモンの作用を妨げる環境ホルモン(内分泌かく乱物質)。多くのメディアや専門家によってその有害性が伝えられています。このフタル酸エステルが含まれていなければ企業からしてみればアピールのチャンス。フタル酸エステル未使用などと明記されている商品はあまり存在しないため、ほとんどの香料に含まれていると疑うべきでしょう。
合成着色料
色鮮やかな製品は視覚的に楽しめるのでついつい惹かれてしまいますよね。以前の記事では、合成着色料の健康リスクをお伝えしましたが、口に入れないからといって安全であるとは限りません。ある研究では、こういった合成着色料が経皮吸収されることが指摘されていますので[2] [3]、アレルギー反応を引き起こしたり多動性障害(ADHD)などのリスクがあると考えられています。また、赤40、黄5、黄6などの合成着色料には発ガン性の可能性が指摘されています[4]。合成着色料は非常に多くの種類がありますが、基本的には避けるに越したことはないのです。ただ色がきれいだから、という理由で全身をこうした着色料にさらすのは愚の骨頂と言えます。

ホウ酸
日本やカナダでは化粧品での使用が禁止されているホウ酸[5]。なぜか入浴剤には使用が可能なのです。このホウ酸も上記のフタル酸エステルと同様に内分泌かく乱物質としてその有毒性が高いとされています[6]。
コハク酸
貝類をはじめとする動植物に広く存在しているコハク酸。ph調整剤として使用されます。一般的に皮膚刺激および皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられていますが、安全性試験データ不足のため詳細は不明とされています[7]。すべての人に同じように安全であるとは限りません。アレルギー性疾患などで悩んでいる人は、こういう細かなことに気を配ることも大切です。
また、化粧品などにも含まれている樹脂のアラビアゴム[8]や粘土鉱物のベントナイト[9]などの物質のほとんどは
「一般的に皮膚刺激および皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられますが、詳細な安全性試験データがみあたらず、データ不足のため詳細は不明です。」
とされています。個々で使用期間や頻度、また体質なども異なりますので必ずしも安全であるとは言い切れない物質を頻繁に使用する必要はないのです。
また、色鮮やかなバスボムに関しては、ほとんどの日本の商品が成分表を割愛していました。少々疑問でしたので、海外の情報を調べたところ、入浴剤と同様に、香料、人工着色料をはじめフタル酸エステルやホウ酸が含まれているケースがほとんど[10]。泡立ちが優れたバスボムに関しては、製造過程によって環境ホルモンのエチレンオキシドを生成する可能性のあるラウレス硫酸ナトリウム(SLS)が含まれています[11]。こういったバスボムは、食品でいうところの着色料、添加物がたっぷり入った色鮮やかなキャンディーのようなものだと思ってください。それでも使いたいですか?
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