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医療ミスが死亡原因第3位!?現代医療の不都合な真実
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医療ミスが死亡原因第3位!?現代医療の不都合な真実

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・アメリカで明らかになった25万人以上の医療ミスによる死
・医療ミスによる死因の背景とは?
・日本の医療ミスでの死による現状

 

今回は、敢えて医療従事者からの反発を予想しつつ、現代医療の暗部について考えてみたいと思います。アメリカの死亡原因のトップ2は、日本と同じで癌や心臓関連の疾患ですが、3位がなんと、25万人以上が医療ミスが死因であるということがジョンズ・ホプキンズ大学の研究で発表され全米に衝撃が走りました[#]“Study Suggests Medical Errors Now Third Leading Cause of Death in the U.S. - 05/03/2016.” n.d. Accessed February 19, 2020. https://www.hopkinsmedicine.org/news/media/releases/study_suggests_medic.... 。今回は、この異常とも言える数字が示す医療ミスの脅威をお伝えしたいと思います。

 

1歳半のエミリーのケース

1歳半になった頃、大きな腹部腫瘍があると診断されたエミリー。多くの手術と化学療法を行ったのち、最終的に癌ではないと診断されました。しかし、担当医師により、念のために最後の化学療法を行うことを勧められたエミリーは、2歳になる誕生日から三日間化学療法を受けました。しかし、最終日の朝に悲劇が起こります。点滴静脈注射を用意した薬剤師が、推奨用量の20倍以上の塩化ナトリウムを誤って投与。数時間後にエミリーは他界しました。

 

ジェームスの息子のケース

ランニング中に倒れ死亡したジェームスの19歳の息子は、数週間前に心臓専門医により心臓不整脈という診断を受けていましたが、24時間の運転を控えるという指導のみで、特別な措置を受けませんでした。死因は、心臓不整脈。本来であればランニングをするべきではなかった患者に対して、心臓専門医の非倫理的な判断ミスとコミニュケーション不足が原因でした。

 

こういったケースが現在アメリカで蔓延していて、ジョンズ・ホプキンズ大学の研究者が8年間に渡り医療死亡率のデータを分析した結果、1年間で約25万人もの人が医療ミスが死因であると発表しています。また、これはあくまでも保守的な数字。他の研究では、44万人にも及ぶとも言われています[#]James, John T. 2013. “A New, Evidence-Based Estimate of Patient Harms Associated with Hospital Care.” Journal of Patient Safety 9 (3): 122.

医療ミスでの死亡の数がこれまで表面化されなかった原因に、1949年に実用化された死亡の原因を集計する国際疾病分類(ICD)請求コードがあります。このシステムが使用された当時、医療及び診断ミス等が実際に死因に繋がる可能性が十分に認識されておらず、医療エラーは国家健康統計に項目として含まれなかったのだそうです。

 

 

医療ミスによる死亡が起こる要因とは?

さて、この死因となっている医療ミスですが、どのような経緯で起こっているのでしょうか?ジョンズ・ホプキンズ大学医学部の研究者であるマカリー氏は、「プロフェッショナルではない医療スタッフによる判断ミスやケアレスミスをはじめ、システムの故障や欠陥による薬の用量の誤算や誤投与等で、責任があるのは個人ではなくシステムである」と語っています。

ヒューマンエラーが生じている背景にある医療関連のシステムエラー。エミリーのケースの場合、医療ミスが起きた当日、人手不足で尚且つ薬局のコンピューターシステムがうまく作動していなかったそうです。また、そのシステムエラーによる投与量の誤算に気が付かないノンプロフェッショナルな医療スタッフも要因の1つと言えます。

 

日本はどれ位の医療事故がある?

日本では医療法の下、「医療事故が発生した場合には、厚生労働省令で定めるところにより、速やかにその原因を明らかにするために必要な調査を行わなければならない」と規定されています(第6条の11)。病院や診療所などで医療事故が起きた際には、医療事故調査・支援センターへの報告義務があり集計されています。「医療事故調査制度の現況報告(11 月)」によると、平成27年10月~令和元年12月までの医療事故累計が1607件とアメリカに比べ非常に少ない結果となっています。しかし、これはいわゆる自己申告制なわけで、こうした事故について報告せずにしておきたいという医療従事者側のインセンティブが高い中で、本当に信ぴょう性があるのか側明瞭でないのも事実。医療ミスによる死亡が日本では米国と比べて100分の1以下しか発生していないというのはかなり不自然です。バブル時代の銀行業界の不良資産量の過小開示、製造業での品質管理問題、政府による統計情報の捏造など、隠ぺい体質というのは日本の社会にもものすごーく根深いものがあるのです。日本でももっと踏み込んだこうした調査が必要なのではないでしょうか。

 

今回の記事は、医療ミスでの死亡という、一般の人々にとって少し現実離れしたトピックでしたが、死亡事故とまではいかなくても、自分がどう医療と関わっていくべきかを改めて考える一つのよいきっかけとなるかも。一応所定通りに処方された薬についても、その効用や副作用など簡単にインターネットで調べることができる時代です。超複雑な現代医療システムにおいて、必ずしも患者の回復や健康にとって一番よい処方が毎回なされるようになっているとは言えないわけで、自分の健康について最後に責任を取ってくれるのは医療従事者ではなく自分自身しかいないのです。また、日本では「お医者様」の判断に対して疑問を呈するのはお行儀が悪いように考えられていますが、他の職業と同様、医者にも良識と能力のある医者もいれば、そうとも言えない医者もいることを忘れてはいけません。ちょっと首をかしげる診断や薬の処方をされた場合などには、セカンドオピニオンを求めるなどの対応を検討することも大切なことだと思います。

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