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調合薬を超えたアンチエイジングサプリメント?天然由来のベルベリンが今米国で流行っている理由
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調合薬を超えたアンチエイジングサプリメント?天然由来のベルベリンが今米国で流行っている理由

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・古代から使用されている驚異の天然ハーブ系サプリメント
・血糖値を下げる効果
・LDLコレステロールを下げて血管系の疾患を予防
・自然に体重・体脂肪が落ちるうれしいメタボ解消効果

 

ドラッグストアなどで多種多様のサプリメントが販売されています。近年米国のアンチエイジング系のサプリメントとして注目を集めているのが天然ハーブ系のベルベリンのサプリ。シリコンバレーの起業家や米国のアンチエイジングの専門家のあいだで、このサプリを飲み続けている人がたくさんいると話題になっています。血糖値や血圧の低下、メタボリック症候群の解消、心臓病や血管系疾患の改善など、ベルベリンが健康にもたらす驚きの効果とサプリメントの使用方法についてご紹介します。

 

植物から抽出される天然化合物「ベルベリン」

日本ではあまり馴染みのないベルベリンですが、ヒイラギナンテンという植物の根茎、皮などから抽出される自然由来の生理活性物質で、中国ではさまざまな症状を改善する万能な漢方薬として古くから活用されています[#]Schor J, Fabno ND. Clinical Applications for Berberine. Natural Medicine Journal. 2012;4(12). 。効き目はパワフルなのに体には優しい自然由来のベルベリン。その効果と働きが現代科学で徐々に解明されつつありますが、主な働きは、細胞内のエネルギー状態を監視し,その状態に応じて糖・脂質代謝などを調節する酵素の1種AMPKを活性化して代謝をコントロールする作用です[#]Lee YS, Kim WS, Kim KH, et al. Berberine, a natural plant product, activates AMP-activated protein kinase with beneficial metabolic effects in diabetic and insulin-resistant states. Diabetes. 2006 Aug;55(8):2256-64. 。また、細胞内のあらゆる分子にベルベリンが作用し、遺伝子のオン・オフを決める遺伝子発現にも影響を及ぼすと考えられています[#]Yao J, Kong W, Jiang J. Learning from berberine: Treating chronic diseases through multiple targets. Sci China Life Sci. 2015 Sep;58(9):854-9.

分子レベルに作用して心身を健康に導くベルベリン。具体的にどのような効果があるのかを見ていきましょう。

 

 

心臓・腸・血糖の健康を促進し、心身ともに絶好調に

ベルベリンの働きの中でも、特に効果が高いといわれるのが血糖値・心臓・腸の健康と肥満の解消。主な研究報告を交えながら効果とメカニズムを確認してみましょう。

 

  1. 血糖値を低下させる

    現代人にとって主要な成人病の一つである2型糖尿病はインスリン抵抗性やインスリン不足が原因となって血糖値が上昇してしまう慢性疾患。高血糖が体内組織や臓器にダメージを与え健康に深刻な害を与えます。多くの研究からベルベリンがこの2型糖尿病に高い効果を発揮し、糖尿病の主な薬として知られるメトホルミンにも匹敵する血糖降下作用を発揮することがわかっています[#]Chang W, Chen L, Hatch GM,. Berberine as a therapy for type 2 diabetes and its complications: From mechanism of action to clinical studies. Biochem Cell Biol. 2015 Oct;93(5):479-86.  [#]Lan J, Zhao Y, Dong F, et al. Meta-analysis of the effect and safety of berberine in the treatment of type 2 diabetes mellitus, hyperlipemia and hypertension. J Ethnopharmacol. 2015 Feb 23;161:69-81.  [#]Yin J, Xing H, Ye J. Efficacy of berberine in patients with type 2 diabetes mellitus. Metabolism. 2008 May;57(5):712-7. 。血糖値を下げる働きのあるインスリンの製造を促したり、細胞内での糖の分解を促したり、腸内で炭水化物が糖に変わる分解スピードを落としたり、善玉バクテリアを増やしたりなど、様々なアプローチでベルベリンは血糖値に良い作用を与えることがわかってきています。

     

  2. コレステロール値を下げて心臓病のリスクを軽減する

    心臓病は世界の早期死因のトップ。そして、その心臓病に深くかかわるのがコレステロールです。中でもLDLコレステロールが酸化して血管内にプラークを作り出してしまうことが心臓疾患の主要因の一つですが、ベルベリンはPCSK9と呼ばれる酵素を抑制する働きがあり、その結果、心臓病や炎症性疾患を引き起こすLDLコレステロールを減少させます[#]Shi Y, Hu J, Geng J, et al. Berberine treatment reduces atherosclerosis by mediating gut microbiota in apoE-/- mice. Biomed Pharmacother. 2018 Nov;107:1556-1563.  [#]Lau CW, Yao XQ, Chen ZY, et al. Cardiovascular actions of berberine. Cardiovasc Drug Rev. 2001 Fall;19(3):234-44.  [#]Cameron J, Ranheim T, Kulseth MA, et al. Berberine decreases PCSK9 expression in HepG2 cells. Atherosclerosis. 2008 Dec;201(2):266-73.  [#]Li H, Dong B, Park SW, et al. Hepatocyte nuclear factor 1alpha plays a critical role in PCSK9 gene transcription and regulation by the natural hypocholesterolemic compound berberine. J Biol Chem. 2009 Oct 16;284(42):28885-95.

    また、ベルベリンが総合コレステロール、LDLコレステロール、血中中性脂肪をそれぞれ低下させ、逆に善玉のHDLコレステロールを増加させることが複数の研究で示され、心臓病予防や改善のための活用が期待されています[#]Dong H, Zhao Y, Zhao L, Lu F. The effects of berberine on blood lipids: a systemic review and meta-analysis of randomized controlled trials. Planta Med. 2013 Apr;79(6):437-46.

     

  3. 体脂肪を減らして自然に肥満を解消する

    ベルベリンが体重や体脂肪を減少させる効果にも注目が集まっています。インスリン、アディポネクチン、レプチンといった体内脂肪の管理をつかさどるホルモンの分泌を整えたり、代謝スピードを高めたりします。一日3回500mgのベルベリンを12週間服用した調査では、参加者の体重が平均で約2.3キロ減少[#]Hu Y, Ehli EA, Kittelsrud J, et al. Lipid-lowering effect of berberine in human subjects and rats. Phytomedicine. 2012 Jul 15;19(10):861-7. 。37人の男女を対象に行った別の研究では、ベルベリン300mgを一日3回服用し続けたところ、参加者の平均BMI(Body Mass Index=体格指数で、30以上だと「肥満」と定義されています)が服用開始前は31.5だったのが、3カ月後には27.4にまで減少したそうです[#]Yang J, Yin J, Gao H, et al. Berberine improves insulin sensitivity by inhibiting fat store and adjusting adipokines profile in human preadipocytes and metabolic syndrome patients. Evid Based Complement Alternat Med. 2012;2012:363845. 。ベルベリンは脂肪細胞が脂肪を蓄えやすいように分化していくのを抑制することで、脂肪が蓄積しにくくしてくれるのです[#][Article in Chinese] [Effect of berberine on the differentiation of adipocyte]. Zhonghua Yi Xue Za Zhi. 2003 Feb 25;83(4):338-40.  [#]Choi BH, Ahn IS, Kim YH, et al. Berberine reduces the expression of adipogenic enzymes and inflammatory molecules of 3T3-L1 adipocyte. Exp Mol Med. 2006 Dec 31;38(6):599-605.

     

  4. 腸内の悪玉菌を退治する

    ベルベリンは胃腸の消化吸収のための環境を整えてくれる自然の抗菌剤。インスリン抵抗、糖尿、肥満などにつながる腸内の悪玉菌を減少させるほか、潰瘍を作るピロリ菌やブドウ球菌、カンジダなども減少させてくれます[#][Article in Chinese] [Comparison of acid and Helicobacter pylori in ulcerogenesis of duodenal ulcer disease]. Zhonghua Yi Xue Za Zhi. 1993 Apr;73(4):217-9, 253.  [#]Wang K,, Feng X, et al. The metabolism of berberine and its contribution to the pharmacological effects. Drug Metab Rev. 2017 May;49(2):139-157. 。最近話題のSIBO(小腸内細菌増殖症)にも効果を発揮します[#]Chedid V, Dhalla S, Clarke JO, et al. Herbal therapy is equivalent to rifaximin for the treatment of small intestinal bacterial overgrowth. Glob Adv Health Med. 2014 May;3(3):16-24.

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上記のほか、セロトニンやドーパミンを安定供給するのを促進させることでうつ病への効果が期待されたり[#]Kulkarni SK, Dhir A. On the mechanism of antidepressant-like action of berberine chloride. Eur J Pharmacol. 2008 Jul 28;589(1-3):163-72. 、PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)の改善により不妊を解消することが期待されていたり様々な可能性が指摘されていますが[#]Wei W, Zhao H, Wang A, et al. A clinical study on the short-term effect of berberine in comparison to metformin on the metabolic characteristics of women with polycystic ovary syndrome. Eur J Endocrinol. 2012 Jan;166(1):99-105. 、現在のところマウス実験の結果のみにとどまっています。

 

 

ベルベリンの摂取量は?禁忌や注意点は?

ベルベリンのサプリメントの推奨摂取量は一日900~1500mgです。もっとも適用例が多いのは、500mgを一日3回の食事とともに摂取する方法。ベルベリンは数時間のうちに血中で半減してしまうため、一度に大量を摂取するよりも、何度かに分けて摂取するのがおすすめです。また、深刻な副作用はないものの、人によっては便秘や腹痛、おなかの張りなどを感じることもありますので、心配な場合は少なめの量から始めて少しずつ量を増やしていくのもよいでしょう。我々が知る限り長期的に飲み続けることで深刻な弊害が出たということは報告されていませんので、体調を見ながら続けてみてください。(買うなら例えばここで)

ただし、持病やその他の疾病で服用している薬がある場合は、かかりつけの医師と相談してから摂取しましょう。とくに血糖降下剤や抗凝結剤、抗うつ剤を飲んでいる場合は要注意です。医師の判断に従って安全にベルベリンを利用してくださいね。

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