塩と高血圧、高血糖の関係性。
20歳以上の国民の二人に一人が高血圧で、日本人の生活習慣病の最大の生活習慣病のリスク要因とも言われています[#]厚生労働省.平成30年国民健康・栄養調査.第55表 高血圧症有病者の状況 - 高血圧症有病者の状況、年齢階級別、人数、割合 - 総数・男性・女性、20歳以上 。慢性的な高血圧が続くことで脳卒中や心筋梗塞などの合併症のリスクも高くなります。この高血圧が完全に予防されることで年間10万人もの人の命が助かるというデータも[#]Ikeda N, Saito E, Kondo N, Inoue M, Ikeda S, Satoh T, Wada K, Stickley A, Katanoda K, Mizoue T, Noda M, Iso H, Fujino Y, Sobue T, Tsugane S, Naghavi M, Ezzati M, Shibuya K. What has made the population of Japan healthy? Lancet 2011; 378:1094-1105. 。大変深刻な問題です。厚生労働省のホームページを見てみると、その原因はの1つに食塩の過剰摂取が指摘されています。しかし、以前の記事でも掲載しましたが、減塩をすれば血圧が下がるという単純な話ではありません。確かに塩分過多は血圧の上昇の原因になりえますが、そもそも塩分過多が原因の高血圧は20%程度。運動量などの個人差もあるため、闇雲に減塩をしたところで必ずしも血圧が下がるわけではなく、逆に塩分が不足することで血管代謝の疾患の悪化や神経ホルモンの経路に悪影響を与えることも。大切なのは適塩なのです。
【関連記事】「「減塩」はもう古い!? 高血圧を防ぐ「適塩」生活のススメ」
また、2型糖尿病を患っている人が高血圧であるケースが多いと言われていますが、ある研究では、ナトリウムの少し多めの摂取がラットの高血糖とインスリン抵抗性を改善したという結果が報告されています[#]Takagi, Yoshiichi, Taichi Sugimoto, Masaya Kobayashi, Mitsuyuki Shirai, and Fumitoshi Asai. 2018. “High-Salt Intake Ameliorates Hyperglycemia and Insulin Resistance in WBN/Kob-Leprfa/fa Rats: A New Model of Type 2 Diabetes Mellitus.” Journal of Diabetes Research 2018. https://doi.org/10.1155/2018/3671892. 。塩分は血糖値に直接影響を与えませんが、高血糖で高血圧だからといって極端に塩分をカットする必要はないのです。むしろカットすべきは血糖値を上昇させる砂糖。砂糖が血糖値に大きく影響するのはみなさんもご存じのとおりです。
【関連記事】「最も身近な調味料の砂糖と塩。その関連性と向き合い方。」
コメント
コメントを追加