海塩の90%に含まれるマイクロプラスチック
上記で述べた魚介類をはじめ、マイクロプラスチックで汚染された水や土壌で育ったリンゴ、ニンジンやレタス、更にはビールやハチミツや砂糖に至るまで微量に含まれていると言われます[#]“Micro- and Nano-Plastics in Edible Fruit and Vegetables. The First Diet Risks Assessment for the General Population.” 2020. Environmental Research 187 (August): 109677. [#]“Microplastic Pollution in Commercial Salt for Human Consumption: A Review.” 2019. Estuarine, Coastal and Shelf Science 219 (April): 161–68. 。その中で、特に懸念されているのが海塩。
韓国とグリーンピース東アジアの研究者が行った分析によると、ヨーロッパ、南北アメリカ、アフリカ、アジアの21か国の塩サンプル39種を検査した結果(日本は含まれていません)、36種からマイクロプラスチックが検出されました[#]Mike, Matt Kemp, Vanessa Bernal Laufer, Stefano Carmine Chiarella, Morton Satin, Mark Leinemann, Big Bird, and BrookAnthony. n.d. “Over 90% of Sampled Salt Brands Globally Found to Contain Microplastics.” Accessed November 17, 2020. https://www.greenpeace.org/international/press-release/18975/over-90-of-.... 。そのうちマイクロプラスチックを含まないブランドは、
・台湾産(精製海塩)
・中国産(精製岩塩)
・フランス産(太陽蒸発によって精製された未精製海塩)
の3つ。中でもマイクロプラスチック含有量が多かったのが、インドネシア産。55,000kmにも渡る海岸を持つインドネシアの海洋汚染は深刻で、世界で2番目に悪いレベルのプラスチック汚染としてランクされています。
この調査により、マイクロプラスチックの含有量レベルは、海塩が最も高く、次に湖塩という事が報告されています。海塩は、名前の通り海水を乾燥させて製造されますので、その地域の海洋の汚染レベルが大きく影響してきます。太古の昔の海塩とも言える岩塩は、ほぼマイクロプラスチックに汚染されていないということになります。
では、日本産の塩はどうでしょうか?
東南アジアや中国南部から海域へ出たプラスチックが黒潮の流れで日本の周辺海域へ到達するため、日本の沿岸地域のマイクロプラスチックの浮遊量は他の海域比べて1桁高いことが分かっています[#]“[マイクロプラスチック汚染の現状,国際動向および対策].” n.d. Accessed November 17, 2020. https://www.jstage.jst.go.jp/article/mcwmr/29/4/29_261/_pdf. 。日本産の塩のマイクロプラスチック含有量の厳密な調査結果はあまりありませんが、日本産の塩からもマイクロプラスチックが検出された報告例も[#]Karami, Ali, Abolfazl Golieskardi, Cheng Keong Choo, Vincent Larat, Tamara S. Galloway, and Babak Salamatinia. 2017. “The Presence of Microplastics in Commercial Salts from Different Countries.” Scientific Reports 7 (1): 1–11. 。特に表示義務もないため、自社でしっかり検査を行っているような製品を選ぶと安心でしょう。
更に詳しく産地とマイクロプラスチックの量を知りたい方はこちらをご覧ください。
コメント
コメントを追加