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高齢者だけじゃじゃない。若い男性にも発症する慢性前立腺炎との向き合い方。
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高齢者だけじゃじゃない。若い男性にも発症する慢性前立腺炎との向き合い方。

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・若い男性でも発症する慢性前立腺炎とその原因とは?
・慢性前立腺炎の基本的な症状
・前立腺炎の危険因子と悪化要因
・症状緩和に有効なケルセチン
 

 

数少ない男性特有の病気の中でも発症者数が多い前立腺の病気。一般的に発症者数が多いのが高齢者を中心に年間500万人近くの患者数がいると言われている排尿症状や蓄尿症状を伴う前立腺肥大症ですが、高齢者だけではなく若い年齢層の間でも症状が多くみられるのが前立腺炎。細菌などの感染による発症や、ストレス、食生活なども原因となることが多く、慢性化すると治療に長い期間を要することも。今回は、この男性特有の病気である慢性前立腺炎の基礎知識とケアの方法にフォーカスしていきます。

 

慢性前立腺炎とその原因とは?

膀胱のすぐ下にあり尿道を取り囲むクルミほどの大きさの前立腺は、精液を作るのに重要な働きをする男性のみが持つ臓器です。この前立腺が炎症を起こした状態を前立腺炎といいます。この前立腺炎は、主に尿道からの細菌の侵入によって炎症が起こる急性細菌性前立腺炎と、

・ストレス
・飲酒
・喫煙
・座りがちな生活スタイル
・偏った食事
・睡眠不足

などが原因で発症をする慢性前立腺炎の2種類に分類されます。どちらも症状は似ていますが、慢性前立腺炎は比較的症状が穏やかで、発症が徐々にはじまり数週間以上続きます[#]Harvard Health Publishing. n.d. “Chronic Prostatitis - Harvard Health.” Harvard Health. Accessed July 6, 2020. https://www.health.harvard.edu/a_to_z/chronic-prostatitis-a-to-z. 。特に高齢者に多いというわけではなく、アメリカではあらゆる年齢の成人男性の5%が慢性前立腺炎を発症していると言われています[#]Harvard Health Publishing. n.d. “Chronic Prostatitis - Harvard Health.” Harvard Health. Accessed July 6, 2020. https://www.health.harvard.edu/a_to_z/chronic-prostatitis-a-to-z. 。また、急性細菌性前立腺炎であれば性交渉等での衛生面に注視することで予防に繋がりますが、慢性前立腺炎は、特定の原因が不明な場合も多く、予防をすることは難しいと言われています[#]Jonsson, K., and H. Hedelin. 2008. “Chronic Abacterial Prostatitis: Living With a Troublesome Disease Affecting Many Aspects of Life.” Scandinavian Journal of Urology and Nephrology 42 (6). https://doi.org/10.1080/00365590802223585.

 

 

慢性前立腺炎の症状とは?

前立腺の炎症と腫れを引き起こす前立腺炎は、腫れた前立腺が尿道を圧迫し、排尿時に以下のような症状を引き起こします。

・排尿中または排尿後の焼けつくような感覚
・残尿感
・頻尿
・尿道の違和感

また、足の付け根や、会陰部や下腹部の違和感や不快感、疲労感といった、排尿時以外でも症状が現れることがあるため、発症に気が付かず不快感を持ったまま生活をしてしまうケースもあります[#]Harvard Health Publishing. n.d. “Chronic Prostatitis - Harvard Health.” Harvard Health. Accessed July 6, 2020. https://www.health.harvard.edu/a_to_z/chronic-prostatitis-a-to-z.  [#]Vasan, Satya Srini. 2012. “Complications of Chronic Prostatitis.” Current Bladder Dysfunction Reports 7 (2): 141–49.

 

グルテンも注意。慢性前立腺炎の症状を悪化させる食品とは? 

睡眠不足やストレスなどの生活習慣の乱れが原因になりうるこの慢性前立腺炎。発症しても直接的に死に至ったり、ガンにつながるような疾患ではありませんが[#]Wood, N., A. Qureshi, and F. Mughal. 2017. “Positioning, Telling, and Performing a Male Illness: Chronic Prostatitis/chronic Pelvic Pain Syndrome.” British Journal of Health Psychology 22 (4). https://doi.org/10.1111/bjhp.12261. 、慢性的に痛みや不快感が続き生活に支障が出るのでできれば治したいところ。かかりつけの医者に診てもらいセルニルトンなどを処方箋して貰い治療をすることもできますが、悪化を促進する食品もありますので、以下を参考に食事に十分に注意することをまずは心がけましょう。

 以下のような食品が、前立腺炎の危険因子、もしくは悪化要因である可能性が示されています[#]Gallo, L. 2014. “Effectiveness of Diet, Sexual Habits and Lifestyle Modifications on Treatment of Chronic Pelvic Pain Syndrome.” Prostate Cancer and Prostatic Diseases 17 (3): 238–45.

・辛い食べ物
タイ料理やメキシコ料理、インド料理のような辛い食べ物。特に唐辛子は、排尿症状を悪化させる恐れも。
・コーヒー
コーヒーに含まれるカフェインが危険因子である可能性。
・アルコール
特に、ビール、赤ワイン、白ワイン、シャンパンが症状を悪化させる可能性があります。また、一晩に2杯以上アルコールを飲んだ男性に発症リスクが増加する傾向も。
・グルテン
小麦に含まれるグルテンは、体内の炎症を増加させ、前立腺炎を引き起こす可能性があります。グルテンフリーの食事を行った結果、症状が改善されたという例が多くあります。

また、炭水化物や、牛乳、チーズの過剰摂取及び野菜不足も前立腺炎の患者によく見られたというデータもあります。

 

 

症状緩和に有効なケルセチン

以前geefeeの記事でも紹介したブドウやリンゴ、ブロッコリやトマトなどに含まれている植物化合物のケルセチン[関連記事:亜鉛の吸収を助けるケルセチンを有効活用して免疫力を高めるには]は、抗酸化物質で体を炎症から保護する働きがあり前立腺炎の症状の軽減に効果があると言われています[#]“Complementary and Alternative Medicine - Penn State Hershey Medical Center - Prostatitis - Penn State Hershey Medical Center.” n.d. Accessed July 6, 2020. http://pennstatehershey.adam.com/content.aspx?productid=107&pid=33&gid=0.... 。特に、パイナップルに含まれているたんぱく質分解酵素のブロメラインや、パパイヤの実から抽出したたんぱく質分解酵素のパパインと組み合わせることで、ケルセチンの吸収を助けます[#]“Complementary and Alternative Medicine - Penn State Hershey Medical Center - Prostatitis - Penn State Hershey Medical Center.” n.d. Accessed July 6, 2020. http://pennstatehershey.adam.com/content.aspx?productid=107&pid=33&gid=0.... 。ケルセチンは、特に亜鉛の吸収を助け、その他の健康効果も期待できるので積極的に摂取したい化合物の1つです。このケルセチン、サプリとして摂取するのがおススメです。

また、前立腺炎の改善サプリメントとしてよく見かけるのがノコギリパルメットですが、研究によってはその有効性に関しては疑問視されているためあまり効果は期待できないかも[#]Kaplan, S. A., M. A. Volpe, and A. E. Te. 2004. “A Prospective, 1-Year Trial Using Saw Palmetto versus Finasteride in the Treatment of Category III Prostatitis/chronic Pelvic Pain Syndrome.” The Journal of Urology 171 (1): 284–88.  [#]Curtis Nickel, J., Daniel Shoskes, Claus G. Roehrborn, and Mark Moyad. 2008. “Nutraceuticals in Prostate Disease: The Urologist’s Role.” Reviews in Urology 10 (3): 192. Kaplan, S. A., M. A. Volpe, and A. E. Te. 2004. “A Prospective, 1-Year Trial Using Saw Palmetto versus Finasteride in the Treatment of Category III Prostatitis/chronic Pelvic Pain Syndrome.” The Journal of Urology 171 (1): 284–88.

なお、サプリメント服用の際は、医師に相談するようにしましょう。

 


 

 

まとめ~成人男性にも発症する慢性前立腺炎との向き合い方。~
排尿に関連した疾患は、仕事中だけではなく、プライベートや趣味の時間にも不快感をもたらせてしまいます。また、病院に行くほどの痛みを伴わないことが多い慢性前立腺炎は、放置して我慢してしまう傾向があります。少しでも、違和感を感じたらお医者さんに診て貰うようにしましょう。医者に診てもらうほどでもないと思われる状態であっても、食事の内容や睡眠不足などの生活習慣も症状悪化の引き金となりえますので、症状が軽い間に生活習慣の改善を意識することで早めに対応しましょう。

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