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ケトジェニックダイエット (糖質制限)でガンに対抗しよう。
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ケトジェニックダイエット (糖質制限)でガンに対抗しよう。

geefee ポイント geefee ポイント

・ガンの危険因子とケトジェニックダイエット (糖質制限)とは?
・IGF-1のレベルを上昇させるタンパク質の摂取量を抑えるケトジェニックダイエット
・大腸ガン、肝臓ガン、膵臓ガンのリスクと関連している糖尿病
・すでにガンを患っている人とケトジェニックダイエットの関連性
・急速に成長するガン細胞が必要とする主なエネルギー源であるブドウ糖

 

日本ではガンは心疾患や脳血管疾患以上に死因率が高く、1981年以降40年間、疾患による死因の1位です[#]Ministry of Health, Labour and Welfare. 人口動態統計年報 主要統計表 第8表 死因順位. In: 厚生労働省 [Internet]. Available: https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/suii09/deth8.html 。現代医療が発達しているのにも関わらずその死亡数は年々右肩上がりです。アメリカでは、2019年に1か月に約5万人を超える人がガンで死亡したというデータもあるように、ガンは世界的にも非常に深刻な病気の1つです[#]American Cancer Society. Available: http://cancerstatisticscenter.cancer.org/ 。ガンが発症する要因は複雑で予防する方法もさまざまな意見が飛び交います。今回は、geefeeでも推奨している糖質制限がガンにどのような影響を与えるのかをお伝えしていきます。

 

ガンの危険因子とケトジェニックダイエット (糖質制限)

geefeeでもさまざまな記事で重ねて推奨しているケトジェニックダイエット。食べる総カロリーのうち約75%を脂質、20%をタンパク質、そして5%以下を糖質の割合で行う食事法です。糖質5%以下というと白米で言えば一日に茶碗一杯分程度。
 
では、このケトジェニックダイエットによってガンの危険因子をどのように検証することができるのでしょうか?
 
厚生労働省によると、ガンの危険因子は喫煙や飲酒、食生活などの一般的な生活習慣の乱れや、環境中の発ガン物質など非常におおまかです。また、よく耳にするのが遺伝による要因ですが、これは家族内での相似した生活習慣や肥満体質などが要因となりうるため、単純に親から子に受け継がれる遺伝子が要因でガンが発症するのはたったの5-10%だと言われています[#]Family Cancer Syndromes. Available: https://www.cancer.org/cancer/cancer-causes/genetics/family-cancer-syndr... 。このように、特定が困難なガンの危険因子ですが、多くの研究で糖質が危険因子の1つである可能性が示唆されています[#]Makarem N, Bandera EV, Lin Y, Jacques PF, Hayes RB, Parekh N. Consumption of Sugars, Sugary Foods, and Sugary Beverages in Relation to Adiposity-Related Cancer Risk in the Framingham Offspring Cohort (1991-2013). Cancer Prev Res . 2018;11. doi:10.1158/1940-6207.CAPR-17-0218 。すなわち、ケトジェニックダイエットがガンの発症、もしくはガンの発症に繋がりうる以下のような危険因子に有意に働く可能性があると言われているのです。

 

IGF-1(インスリン様成長因子1)レベル

インスリンと類似点が多い分子構造を持つIGF-1(インスリン様成長因子I)は、細胞増殖を促進するホルモンで、ガン細胞の発生や増殖に関連しています[#]Shanmugalingam T, Bosco C, Ridley AJ, Van Hemelrijck M. Is there a role for IGF-1 in the development of second primary cancers? Cancer Med. 2016;5: 3353–3367. doi:10.1002/cam4.871 。糖質を制限することでIGF-1レベルを低下させることができるのですが、注目すべきはIGF-1のレベルを上昇させるタンパク質の摂取量。総カロリーの20%程度の適度なタンパク質量であるケトジェニックダイエットは、IGF-1レベルの上昇を抑える可能性があるのです[#]Levine ME, Suarez JA, Brandhorst S, Balasubramanian P, Cheng C-W, Madia F, et al. Low protein intake is associated with a major reduction in IGF-1, cancer, and overall mortality in the 65 and younger but not older population. Cell Metab. 2014;19: 407–417. doi:10.1016/j.cmet.2014.02.006 。ガン予防の側面でみた場合、ケトジェニックダイエットの際のタンパク質の量を5-15%に調整するのが適しているという専門家もいますので、ケトジェニックダイエットの特徴の1つである低タンパク質も有意に働く可能性があります[#]Ochsner Health. Keto diet and cancer: What’s the latest research? Ochsner Health System; 11 Oct 2020. Available: https://blog.ochsner.org/articles/keto-diet-and-cancer-whats-the-latest-...

 

高血糖と2型糖尿病

慢性的な高血糖により発症する糖尿病は、大腸ガン、肝臓ガン、膵臓ガンのリスクと関連しガンのリスクが20%高くなるとも言われています[#]がん. Available: http://dmic.ncgm.go.jp/general/about-dm/070/020/04.html 以前の記事でも掲載しましたが、糖質を制限するケトジェニックダイエットは、食後の血糖値とインスリン値の上昇を抑え、膵臓への負担を減らしインスリン抵抗を緩和する効果があります。単純なカロリー制限ダイエットだと糖質も非糖質もただのカロリーとして計算されてしまうため、ケトジェニックダイエットの方が血糖値のコントロールの改善に効果的だと考えられます。

 

 

肥満や体重増加

肥満は、大腸ガン,乳ガン,前立腺ガン等の危険因子の1つです。禁煙の次に肥満対策がガンの予防に繋がるとも言われています[#]河田純男. 肥満症と癌. 日本内科学会雑誌. 2011;100: 975–982. doi:10.2169/naika.100.975 。色々あるケトジェニックダイエットの効果の1つに体重減少があります[#]Paoli A. Ketogenic diet for obesity: friend or foe? Int J Environ Res Public Health. 2014;11: 2092–2107. doi:10.3390/ijerph110202092  [#]Dashti HM, Mathew TC, Hussein T, Asfar SK, Behbahani A, Khoursheed MA, et al. Long-term effects of a ketogenic diet in obese patients. Exp Clin Cardiol. 2004;9: 200–205. Available: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19641727 。適切な体重管理はガンの予防に繋がるのです。

 

 

 

すでにガンを患っている人は?

実際にガンを発症してる人にとってのケトジェニックダイエットの有意性の確証はありませんが、ほとんどの前臨床研究及び臨床研究は、ケトジェニックダイエットの持つ腫瘍代謝、遺伝子発現、ガン細胞を囲う微小環境の標準化などのメカニズムが標準療法の効果をサポートする補助療法として有用性がある可能性を示唆しています[#] Weber DD, Aminzadeh-Gohari S, Tulipan J, Catalano L, Feichtinger RG, Kofler B. Ketogenic diet in the treatment of cancer - Where do we stand? Mol Metab. 2020;33: 102–121. doi:10.1016/j.molmet.2019.06.026 。また、ガンの腫瘍の成長と進行速度を低下させる可能性も研究で分かっていますが[#]Zuccoli G, Marcello N, Pisanello A, Servadei F, Vaccaro S, Mukherjee P, et al. Metabolic management of glioblastoma multiforme using standard therapy together with a restricted ketogenic diet: Case Report. Nutr Metab . 2010;7: 33. doi:10.1186/1743-7075-7-33 、これらの研究内容には、三日間の絶食を含んだ糖質制限といった非常にストイックなケトジェニックダイエットも含まれているため、補助療法といえども、栄養士や臨床医による綿密な指導は必要となります。

 

 
また、ガンを患うと、抗がん剤や放射線治療の副作用、気力低下、筋肉量の低下などのさまざまな理由により体重が低下します。ケトジェニックダイエットを実践するとなるとかなりの種類の食事を制限する必要があるので更に体重減少のリスクも[#]Hager KK. Management of Weight Loss in People With Cancer. J Adv Pract Oncol. 2016;7: 336–338. Available: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29152402 。ガン治療に併せた食事の指導を医師や医療専門家によって受けている人がほとんどかと思いますので、治療中の場合は、ケトジェニックダイエットを実践する前に必ず相談をするようにしましょう。

 

ガンが喜ぶ餌はブドウ糖?

急速に成長するガン細胞が必要とする主なエネルギー源がブドウ糖であるため、ガンを患っている人がケトーシス状態に入って血中のブドウ糖濃度を低下させれば一定の種類のガン細胞を抑え込める、という一部の専門家の意見もあります。しかし、残念ながらそんなに単純な話でもないのです。ガン細胞は多種多様で、環境に対する適応能力もあったりして、アミノ酸や脂肪などのブドウ糖以外の栄養素を代謝できるものもあるからです[#]Pavlova NN, Thompson CB. The Emerging Hallmarks of Cancer Metabolism. Cell Metab. 2016;23: 27–47. doi:10.1016/j.cmet.2015.12.006 。ガンの種類などによっては効果がある可能性は示唆されており、より決定的な研究が期待されているとは言えますが、現在ガン治療について責任を持って言えるのはそこまで。一方、ガン予防の観点からは、タンパク質を過剰摂取しないように上手に行われるケトジェニックダイエットでガン予防効果を期待できる要因が多数ありますので、是非日常生活に取り入れることを推奨したい食事法と言えます。

 

まとめ~ケトジェニックダイエット (糖質制限)でガンに対抗しよう。~
ガンは医学が発達した現代だからといって油断できるような軽い疾患ではありません。ガンを発症させないために私たちにできることは、毎日の生活の中でガンを抑制できる可能性があることを色々と実践し、発症の要因を可能な限り取り除くこと。ストイックな糖質制限を実践することはなかなか難しいですが、ケトジェニックダイエットは、ガン及びさまざまな合併症の危険因子になりうる2型糖尿病や肥満の予防効果が期待でき、総合的に健康に資する食事法だと考えられます。

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