麻布十番駅から賑やかな商店街を背に、平素な住宅街を5分ほど歩くとラムチョップの名店WAKANUI東麻布店の入り口があります。一歩店内に入ると、地下にあるお店だとは感じさせない、吹き抜けのテラスと全面窓で日中は日が燦々と差し込むナチュラルウッドがベースのゆったりとした60席の空間。
WAKANUIブランド自慢のラム肉
WAKANUIのラムは全てスプリングラム。齢6ヶ月未満の仔羊で、スプリングラムと称するには、南半球ニュージーランドの春(日本の秋)に育った仔羊に限定されます。4週間かけて熟成させながら船で日本に輸送し、急速冷凍させることで旬の一番美味しい状態で1年中食べられるようにします。どんな草でもいいわけではなく、現地では牧草の種や土壌などがきちんと管理され、クローバーやライグラスの新芽を食べて育ちます。草があまり育たない冬などは、ケールやカブの葉などをあたえるというから驚き。牧草を食べ尽くすと隣の新しい牧草地に移動させるという徹底ぶり。WAKANUIブランドを提供するANZCO Foodsの契約牧場主体の牛や羊は、ニュージーランドの長閑かで広大な土地で放牧されているため、ストレスが少ない環境で育てられることにより、程よい弾力が生まれ、味に違いが出るのだそうです。
① ラムラック
WAKANUIではラムチョップを食べないと損。もともと WAKANUIはラムを一番美味しく食べられる状態で提供するアンテナショップとして開店しただけあって、ラムの焼き加減はどこにも負けない自信を持っているとのこと。そして直営店の醍醐味として、値段もかなりリーズナブル。いただいたのはラムラック・ハーフ(¥2,500)。ラムチョップは1ピース¥420とお手頃。塩と胡椒のみで味付けされた表面はカリッと香ばしく、中はピンク色で肉汁がじわーっと出るジューシーでやわらかいラムに感激。ラム特有の臭みは全く感じられません。
② 牧草牛フィレ
牧草牛フィレ(250g ¥4,700)もマストトライ・アイテム。グラスフェッドは霜降りの和牛のイメージとは違い、赤身がメインで、この赤身が際立って美味しく、いくらでも食べられちゃいます。焼き加減も絶妙。女子二人で軽く250gをペロリと平らげられました。牧草牛は鉄分も豊富で、脂肪燃焼に役立つカルニチンが多く含まれるので、最近はアスリートの方にもとても定評があるのだとか。付け合わせのソースはガーリック醤油、わさびとマスタードが添えられ、味に変化もつけられますが、そのままでも十分にお肉の味を楽しめます。安定した味にファンが多いのも頷けるわけです。
③ ラムタンの燻製
アペタイザーとしておすすめなのが、ここでしか味わえない「ラムタンの燻製(ディジョンマスタード添え)」。最後に桜のチップでスモークしてあるので、アフターテイストに桜の香りがふんわり漂う、レストランの自信作。ラムの臭みが全くなく、また牛タンより軽く、何枚でもいけてしまいます。
きっとワインも進みそうな一品。ニュージーランドのワイナリーに自ら交渉しに行き、年に4−5回船で輸入しているワインがリストアップされているので酒屋に置いていない珍しいものが並びます。
④ 野菜のロースト
野菜のロースト(¥1,100)は年4回、シーズンごとに旬の野菜を入れ替えるそう。クリーム色のソースはマヨネーズのようにコクがあるわりには、アンチョビ、ヴィネガーにオリーブオイルのみを使用。この日はピンクと白の渦巻き状のビーツも盛られていて、これが甘くて絶品!皮付きのヤングコーンや苦すぎないゴーヤからも夏をふんだんに感じられます。
総評 ☆☆☆☆
さすがWAKANUIブランドのラムを一番美味しい焼き方で提供するという自信の表れを感じさせてくれる名店。パーティーメニューもあるので飲み放題をつけたい大人数のグループにもおすすめ。一般的なラムチョップの名店と違って、店内で煙を感じさせないのも魅力。バーカウンターもあるので、仕事帰りにふらっとワインとラムチョップを数本だけいただくだけでも立ち寄りたいほど。まずは名店の味を一度は試してもらいたい。
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