あきらめずに試したい。原因不明の線維筋痛症の改善策。

体の広範囲に渡って起こる慢性の痛みやこわばりを症状とする線維筋痛症。その痛みは軽度なものから日常生活に支障をきたす激痛まで幅広く、日本の有病者数は約200万人いると言われています^[1]。原因不明であるがゆえに病院で線維筋痛症と診断されるのにも時間を要し、中には確定診断されるのに5年かかったという人も。明確な治療法がない上に日常生活に大きな支障を与えるこの線維筋痛症。少しでも改善、もしくは症状の悪化を抑制する方法はあるのでしょうか？その可能性にフォーカスしていきます。

線維筋痛症とは？

3ヵ月以上の長期間に渡り、筋肉を含んだ体の広範囲で痛みやこわばりが現れ、倦怠感や呼吸困難、頭痛をはじめ記憶力や集中力の低下など命に関わらないけれども日常生活に大きな支障をきたす病気が線維筋痛症です。IBS(過敏性腸症候群)を併発するとも言われています^[2]。特に原因が特定しにくく、主にストレスが原因と診断されがちですが、その症状のメカニズムは脳内の神経伝達物質などの化学物質の変化、あるいは脳内の中枢神経系ミクログリアが活性化した状態により痛みを伝達する脳や脊髄の中枢神経系に炎症のような何かしらの問題が発生していることによる可能性などが報告されています^[3] [4]。

また、発症傾向にある年齢層は30代～50代が中心と言われていますが、子供からお年寄りまで幅広い年齢層に発症し、女性は男性の7倍と発症率が非常に高く^[5]、その理由は、ホルモンの変化や、月経、更年期障害、また妊娠によるストレスレベルの増加が要因である可能性が指摘されています^[6]。

そもそもストレスと言われても、なかなかそのレベルを測ることは難しく、ストレスの原因すら認識していないことも多々ありますよね。この線維筋痛症の場合、何かしらの大きな心理的トラウマが原因となり発症することも多く報告されているため、治療薬だけでは効果が望めないとも言われています^[7]。痛みを伴うため、うつ病や不安神経症などの症状を引き起こす可能性もあるため、痛みの緩和と共に、食事や心のケアーも改善のための大きなカギとなります。

こういう食品を避けることで線維筋痛症が改善された例もある

線維筋痛症を引き起こす要因ではないかもしれないけれど、症状を悪化させる原因になると言われている食事。上記で述べたように、線維筋痛症の原因は脳内の神経の炎症である可能性が報告されているため、脳内神経の刺激、興奮を誘発する興奮毒性物質を食事から取り除くことで症状を軽減させることができる可能性がワシントンD.C.のアメリカン大学の栄養神経科学者のホルトン博士によって指摘されています。特に着目すべき興奮毒性物質とは、

MSG(グルタミン酸ナトリウム)

アスパルテーム

これらはgeefeeでも度々避けるべき食事として紹介している添加物です。外食を多くしている人や加工食品を食べている人などは日常的に摂取しています。これらの添加物ごときが線維筋痛症に影響を与えているとは想像もつきませんが、現に、線維筋痛症候群と2〜17年間診断され続けた4人の患者の食事からすべてのMSGとアスパルテームを排除した結果、数か月以内で完治、もしくはほぼ症状が無くなったという結果が研究で報告されています^[8]。また、後にMSGを摂取したところ、すべての人に症状が再発したという結果も。たった4人の被験者ではありますが、確率的に4/4。あなたが線維筋痛症に悩んでいるのであれば、この4人と同様に症状が改善される可能性はあります。そもそも、MSGもアスパルテームも摂取する必要のない物質。食事から排除したところで何の害も支障もないのは明らか。実践しない理由がないのです。

また、上記の他に、下記の二つも試してみる価値はあるかもしれません。

・FODMAP「発酵性オリゴ糖、二糖、単糖、及びポリオール(多価アルコール)」^[9]
以前のIBSの記事内でも少し触れた低フォドマップダイエットが症状と生活の質の改善に有意に働く可能性が示唆されています。

・グルテン^[10]
セリアック病やグルテン不耐性ではない線維筋痛症を対象にした研究では、食事からグルテンを排除したことで痛みの軽減、生活の質の改善がされたという研究結果があります。グルテンによる慢性疾患は非常に多岐に渡るため、このグルテンが悪さをして線維筋痛症を悪化もしくは引き起こしている可能性も。

線維筋痛症によるうつ病、倦怠感、痛み、体重増加の治療を数年間行っていた女性が、2年間グルテンフリーを実践したところ、鎮痛剤や抗うつ薬を使用しなくても済むまで治癒したという成功談が非常に良い例ですが、食事が原因であるという可能性は軽視すべきではないのです。

【関連記事】「原因不明の体調不良は小麦粉のグルテンが原因かも？グルテンフリーの有効性」

また、オメガ3やマグネシウムなどの栄養素を補給することで体の炎症レベルを低下させることができると言われていますが、まずは、サプリなどでプラスをするよりも上記のような線維筋痛症の天敵となりえる物質をマイナスすることが先決。こういった物質を体に取り入れている以上、改善への道は開かれないと言っても過言ではありません。
 

試してみる価値のあるメディテーションや瞑想。

宗教的なイメージからか敬遠、軽視されがちなメディテーションや瞑想ですが、これらを実践し今の自分の心の状態と向き合って整えることで線維筋痛症の痛み、睡眠障害、うつ病等の症状を緩和、改善できる可能性が研究で指摘されています^[11]。こういった不安や恐怖、雑念と向き合う機会って普段の1日を通してほとんどないですよね？寝ているときに心が休まっていると思っていても、そういった不安が実際には睡眠の障害にもなっていることも。1日10分程度でいいので自分の心と向き合うことで何かしらの変化があるかも。これは自分自身で実践してみないとその効果を知ることはできません。

実際に、線維筋痛症で悩んでいる人が、以前のレビュー記事でも紹介したHeadspace（ヘッドスペース）という瞑想ガイダンスアプリを使用した結果、自分の痛みを客観的に観察し向き合うことで自分自身で痛みを管理し緩和させることができたという体験談もあります^[12]。

【関連記事】「～お役立ち健康サポートアプリ（1）～瞑想ガイダンスアプリ「Headspace（ヘッドスペース）」 初級～上級」

また、線維筋痛症に対して、催眠療法が理学療法よりも優れているという研究結果や心理療法の一種である認知行動療法も効果があることが報告されています^[13]。こういった一般的ではない療法となると適切な医師に出会うこともとても重要な要素となります。少々抵抗がある人もいるかもしれませんが、心の治療をすることが改善の糸口の可能性があるということは様々な研究や実体験でも伝えられていますので、まずは、自宅でできるメディテーションや瞑想で、ゆっくりと自分と向き合うことからはじめてみてください。もちろん無料でできるわけですし、上記の食事と同様に体に何一つ害を与えることはないので、試してみる価値は十分にあります。

【関連記事】「瞑想が自分を変える！自宅で簡単にできる5種のメディテーションを紹介」

まとめ～あきらめずに試したい。原因不明の線維筋痛症の改善策。～
原因がなかなか特定できず、医者での完全な治療法もなかなか無いとされる線維筋痛症ですが、さまざまな人の体験談や科学的根拠から食事療法は改善へ有意に働く可能性があります。痛みを軽減させるために薬や栄養素を摂取するのも大切ですが、痛みの原因となっている可能性のある物質をマイナスすることを徹底的に実践してみてください。また、食事のケアーと共にメディテーションのような心と向き合えるマインドフルネスを実践することで、あなたの不安や雑念、トラウマなどが取り払われ、体に悪影響を与えていた物質と共にトラウマやストレスなどがマイナスされ、改善の道が見えるかもしれません。