身の回りに存在する環境ホルモンとは?
大気環境
居住地域の環境にもよりますが、大気や土壌には有機塩素系農薬、ダイオキシン、重金属、有機フッ素化合物、車や工場などの排ガスから発生する多環芳香族炭化水素など、あらゆる環境汚染が要因で私たちは毎日のように環境ホルモンを体に取り入れているのです。これらの化学物質が含まれるのは大気環境だけではなく食物も。後程説明します。
パーソナルケア用品など
非常に多くの添加物や化学物質が含まれている化粧品などのパーソナルケア用品。石鹸、シャンプー、歯磨き粉、洗顔料、香水など、ほとんど毎日使用する日用品には、殺菌剤のトリクロサン、防腐剤のパラベン、香料の合成ムスクやフタル酸エステル類などが含まれています。あたりかまわず吹きかける消臭剤やトイレの芳香剤などもホルモン系に悪影響を与える物質が含まれていることも頭に入れておきましょう[#]“New Study: Common Air Fresheners Contain Chemicals That May Affect Human Reproductive Development.” n.d. Accessed May 5, 2021. https://www.nrdc.org/media/2007/070919. 。
プラスチック容器
食品の保存や飲料水など現在使用している容器のほとんどがプラスチック。プラスチックに含まれる化学物質のBPA(ビスフェノールA)も環境ホルモンの1つ。BPAフリーという言葉で知っている人もいるかもしれません。ただ、BPAフリーだからといって安心できるとは限りません。BPA の代替化学物質のBPS(ビスフェノール-S)やBPF(ビスフェノール-F)が使用されていることも[#]Moon, Min Kyong. 2019. “Concern about the Safety of Bisphenol A Substitutes.” Diabetes & Metabolism Journal 43 (1): 46. 。これらの化学物質は缶類の内面にも使用されているので、可能な限り保存容器の材質をガラスにするのがおススメ。
水銀や農薬、ヒ素などが含まれている食品
水銀を含んだ魚、有機リン系農薬、ネオニコチノイド系農薬などの散布された農薬やカドミウムやヒ素などを土壌から吸収して育った農作物などの食物を介して私たちは環境ホルモンを体内に取り込んでいます。geefeeでは以前の記事で化学物質が含まれている食品に関する健康リスクの懸念を何度もお伝えしてきたので、健康意識が高い方は、そもそもの食品選びを慎重に行っている人も多いと思いますが、ホルモン系に対する悪影響も大きな懸念の1つであることは知っておきましょう。また、パーソナルケア用品のセクションでも述べたパラベンが栄養ドリンクに入っているケースも。健康に良いと勘違いされている製品にもこういった環境ホルモンの摂取の落とし穴があるので、加工食品の成分表は常に見るようにしましょう。
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環境エストロゲンと植物性エストロゲン
特に成長や妊娠などの女性の健康に大切な役割を持つ女性ホルモンと呼ばれるエストロゲンをかく乱する環境エストロゲン及び植物性エストロゲンも多くの専門家により懸念されている環境ホルモンの例[#]“Environmental Impact of Estrogens on Human, Animal and Plant Life: A Critical Review.” 2017. Environment International 99 (February): 107–19. 。世界的な工業化に伴い、大気中や汚染水などの環境中に含まれるステロイド性の環境エストロゲンに加えて、主に大豆のイソフラボンに含まれている非ステロイド性の植物性エストロゲンの摂取が、女性の乳ガンや男性の前立腺ガンなどのリスクと関連している可能性も指摘されています[#]Darbre, Philippa D., and Amelia K. Charles. 2010. “Environmental Oestrogens and Breast Cancer: Evidence for Combined Involvement of Dietary, Household and Cosmetic Xenoestrogens.” Anticancer Research 30 (3): 815–27. [#] Nelles, Jason L., Wen-Yang Hu, and Gail S. Prins. 2011. “Estrogen Action and Prostate Cancer.” Expert Review of Endocrinology & Metabolism 6 (3): 437. 。特に、健康食として定着している大豆の摂食や大豆イソフラボン由来のサプリメントや健康食品などで植物性エストロゲンを過剰摂取するのは少々リスキー。大豆にはこれ以外にも様々な健康リスクが伴いますので、いまだに大豆の健康効果を信じている人は最新の情報を改めて見直してみましょう。
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