「揚げ物がタバコと同じくらい健康に悪い」
以前にgeefeeの記事で掲載した揚げ物料理の健康リスク。酸化した油や高温での調理がいかに体に悪いかをお伝えしました。特に、料理用に使用されている植物油の多くが酸化しやすい特性を持ち、その酸化した油が人の健康に無視できないレベルの悪影響を与えます。また、高温調理によって様々な有毒物質が発生することも知られています。日本では揚げ物の害があまり広く認識されていない現状がありますので、タバコと同じくらい健康に悪いと知ってびっくりされた読者も多いと思います。この揚げ物、実はいろんな料理に潜んでいて、気づかずに食べている可能性があります。また、厳密には揚げ物ではなくても揚げ物と同様の害のある「揚げ物もどき」料理もたくさんあるのです!今回は、見た目だけでは判断が難しい健康リスクが懸念される高温調理の食品の見分け方にフォーカスしていきます。
高温調理による有害物質―過酸化脂質、アクリルアミド、AGEなど
揚げる、焼く、炒めるなど、120度以上で調理された食材から、アクリルアミドが生成される可能性があります。これは、アミノ酸や果糖やブドウ糖などの炭水化物が加熱された際に化学反応が起きて生成される有害物質。発ガン性があると言われています[#]“Acrylamide and Cancer Risk.” n.d. Accessed April 6, 2020. https://www.cancer.org/cancer/cancer-causes/acrylamide.html. 。また、高温で酸化しやすいオメガ3やオメガ6脂肪酸が有害な過酸化脂質に変化し、タンパク質と糖が加熱されると有害なAGEs(終末糖化産物)が生成されます。多くの食材が持つ成分や栄養素は、高温調理によって、有害物質を生成するのです。
調理過程まで分からない外食は要注意。
油は使えば使うほど酸化・変質します。以前、geefeeで行った実験で、ごま油を一回熱しただけで、極性化合物の濃度を数値化する指標であるTPMの数値が上がったことからもわかる通り、フライヤーで揚げ物調理をする際の油の交換の目安は1回~2回が限界と言えるでしょう。家庭で料理をする人はこまめに油の交換をしていると思いますが、お店だとあまりに頻繁に交換していたらコスト的にも負担がかかるので、よほど高級なこだわりのお店でない限りは現実的でないでしょう。一方、一見揚げ物ではないように見えても、実際には揚げ物とほぼ同視すべき料理も多々あるので、次のセクションで紹介していきます。
こういう料理も実は揚げ物なんです!
・インスタントラーメン
健康志向なgeefee読者であれば、インスタントラーメンは避けるべき食品であることは認識していることでしょう。でも、その大きな理由が、ほとんどのインスタントラーメンの麺が揚げ物だから、ということまでご存じでしたか?ノンフライと明記された商品は別として、インスタントラーメンの麺は植物性パーム油等の安価な油を使用して150℃程度の温度で揚げていますので、アクリルアミドが生成されている可能性が高いのです。また、このパーム油はトランス脂肪酸の代替油として多くの加工食品で使用されていますが、発ガン性が懸念されている食品添加物のBHA(ブチルヒドロキシアニソール)[#]Administrator. n.d. “Acrobat Accessibility Report.” Accessed April 6, 2020. https://ntp.niehs.nih.gov/ntp/roc/content/profiles/glycidol.pdf. が酸化防止剤として添加されていることが多い問題のある油です。なお、ノンフライのカップ麺であっても、多くの食品添加物が大量に入っていますので、当然オススメはできません。
・日本人が大好きな餃子やお好み焼きも、実は「揚げ物もどき」
油をたっぷりと使って高温強火で調理する餃子。今や中華の範疇を超え、日本人の好物料理の代名詞と言えるでしょう。あのパリパリサクッとした皮の食感がたまらなく美味しいですよね。でもちょっと待ってください。考えてみればフライパンの底で油とともに小麦粉主体の皮がジュウジュウ加熱されているのって、まさに揚げ物ですよね。また、同様にお好み焼きやたこやきなどの粉もの料理や表面がカリっとした焼きそばなども同様のことが起きているのです。揚げ物ではないから大丈夫!と思って餃子や粉ものを頻繁に食べるかた、気を付けてくださいね!
・厚揚げや油揚げ
大豆は健康食品というマーケティングの煽りによって、大豆関連の食品のほとんどが健康に良いというイメージが植え付けられています。すべての大豆や大豆製品が悪いというわけではないのですが、GMOの問題やフィチン酸、レクチンといった体に害を与える反栄養素の存在も忘れてはいけません。大豆を、180℃~200℃というかなりの高温で揚げて作られているのが厚揚げや油揚げ。衣を使わないので一見揚げ物には見えないかもしれませんが、これらは立派な揚げ物です。原材料には、タンパク質、炭水化物を含んだ大豆を揚げれば、AGEs(終末糖化産物)、アクリルアミドが生成されているものと考えられます。
・クッキーやビスケットも揚げ物もどき
餃子もそうですが、通常の揚げ物とは調理法が違うため揚げ物と認識されていない食品の一つとしてクッキーやビスケットなどの焼き菓子が挙げられます。あのおいしいサクサクした食感、あれはたっぷりのバターなどの油脂成分と砂糖や炭水化物を高温で一緒に焼くことで、挙げるのと同様の化学変化が起きていると言えます。クッキーを一切食べないなんて無理!という方もいらっしゃると思いますが、食べるにしても「これは揚げ物なんだ」という自覚を持ってできるだけ控えめに。
・スナック菓子はほとんどが揚げ物
ポテトチップスなどのスナック菓子はどのような調理法で製造されたのかが分かりにくいため、認識していない方も多いかもしれませんが、ほぼ全部が揚げ物です。見分け方としては、サクサクしてたりカリっとしている食感で、原材料表に油脂が含まれていた場合には、「ノンフライ」と明記されていない限り、ほぼ100%揚げ物と考えてください。また、ノンフライと書かれていても、餃子やクッキーの場合のように実質的には揚げ物と同じようなもののケースが多いのでご注意を。
・お煎餅には良いのと悪いのとがある!
西洋風のスナック菓子のほとんどが揚げ物である一方、少しわかりにくいのがお煎餅。いわゆる「おかき」と呼ばれているタイプは大体が揚げ物で、原材料表に油脂がバッチリ表記されています。一方、草加せんべいのような焼いただけで原材料に油脂が含まれていないお煎餅もたくさんあります。サクサク食感をどうしても味わいたい方、スナック菓子をどうしてもやめられない方には、是非こうしたお煎餅をおススメします(食べ過ぎると糖質や塩分過多にはなりますが!)。
いかがでしょうか?思った以上に揚げ物や揚げ物もどきが存在することが分かったのでは?農林水産省も、炒め調理や揚げ調理で発生するアクリルアミドへの注意喚起をしています。少しの量の有害物質の摂取では体に害がないということを過信して長期に渡って少しずつ食べ続けてしまうと、体へのダメージは気づかないうちに大きくなる可能性があります。しっかりした知識と明確な意思で揚げ物と揚げ物もどきを避けることで、あなたの健康状態をレベルアップさせましょう!
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