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糖質にもいろいろある。糖質制限で避けるべきは米? それとも砂糖?
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糖質にもいろいろある。糖質制限で避けるべきは米? それとも砂糖?

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・米と砂糖の糖質の種類とは?
・ブドウ糖と果糖の塊のような白米と砂糖
・冷やしてさまざまな効果が期待できる白米

 

糖質制限を実践することで健康に与えるメリットは以前の記事でも何度か説明しましたが、さまざまな種類がある糖質の中でどういう種類の糖質を優先的にカットするべきか悩ましいところ。特に、日本人の主食である米などの炭水化物か、食べて甘い味のする砂糖を中心とした糖質か、どちらを優先的に制限するべきなのでしょうか?今回は、米と砂糖の糖質の健康へのインパクトの違いについて説明していきます。

 

米と砂糖の糖質の種類。

体内で糖質が不足すると代わりにエネルギー源として体内で蓄積された脂肪が分解されケトン体を生成。これが脂肪燃焼やその他健康効果が期待できるケトジェニックダイエットのメカニズムですが、逆に糖質過多だと体内にエネルギーとして消費されなかった糖質は中性脂肪として蓄積され肥満や生活習慣病といった健康リスクを誘発してしまいます[#] “炭水化物 / 糖質.” n.d. Accessed February 8, 2021. https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-018.html.

しかし、糖質といっても糖類、小糖類、多糖類、糖アルコール類、高甘未度甘味料などに分類され、種類はさまざま。米に含まれるデンプンは多糖類、砂糖は二糖類に分類され、糖質の中でも糖類と呼ばれています。

 

 

砂糖に期待できない栄養価。

ほとんどの砂糖は、可食部100g中100gが糖質でミネラルやビタミンはほぼゼロ。一方でお米は、約77%が炭水化物で、残りがタンパク質7%、脂質1%。マグネシウムやカルシウムなどのミネラル、ビタミンB1やビタミンEなどが若干摂取できます。

 


 

 

米の糖質と砂糖の糖質、どっちが体に悪い?

さて、それではこの2種類の糖質はどのように私たちの体に影響を与えるのでしょうか? 4つのポイントで見ていきます。

 

・血糖値の上がり方

炭水化物は口内や胃や小腸で消化酵素によって分解され、ブドウ糖や果糖などの単糖類に分解されてから主に小腸で体内に吸収されます。ブドウ糖と果糖が結合された二糖類である砂糖もブドウ糖と果糖に分解吸収されます。血糖値を上げるスピードが速いほど体への負担が大きいため、このスピードの指標であるGI値は低いほうが血糖値コントロールの観点からは好ましいとされています。ブドウ糖のGI値は満点の100。これに対して白飯と砂糖はいくつと思いますか?何となく砂糖の方が高いだろうと思われるのでは?しかし、何とハーバード大学が公表しているGI値の表によると、砂糖(ショ糖)のGI値65に対して白米のGI値は73と、むしろ砂糖よりも高いのです!白米信仰の強い日本ではこうしたことはあまりよく知られていません。こうした糖質のGI値の高低は単糖類の一つである果糖の比率(糖質の消化後)に左右される面が強く、GI値の低めの果糖が多いほどGI値が低く見えるのです。果糖は、この後説明しますが、GI値の観点からはそう悪くはないのですが、その他の健康面からは実はブドウ糖よりも体に悪いとされている曲者です。一方、ブドウ糖は血糖値を急激に上昇させ、糖尿病や心筋梗塞などの病気のリスクを上昇させてしまうなど、やはり健康面から大いに問題があります。白米の場合、糖質以外の成分も含まれますが、77%は糖質ですし、糖質以外の成分は他の食事からよっぽど効率的に健康的に摂取できるものばかり。はっきり言えば、白米も砂糖も、両方とも、摂りすぎは健康良くないとされているブドウ糖と果糖の塊のようなものなのです[#]Holesh, Julie E., Sanah Aslam, and Andrew Martin. 2020. “Physiology, Carbohydrates.” In StatPearls [Internet]. StatPearls Publishing.

 

・ブドウ糖と果糖の代謝の違い

ブドウ糖と果糖は体内での代謝が異なります。ブドウ糖は吸収されるとそのまま血液中に入り、血糖値を増加させます。しかし、果糖の場合、吸収されて一旦肝臓でブドウ糖に変換されなければ血液中に運ばれません。その分肝臓が働かされるのです。ブドウ糖を摂りすぎるとアルコールを飲めない子供などであっても肝炎(非アルコール性脂肪肝炎)になってしまうという現象はこうした理由から起こるのです。また、肥満症の最大の原因の一つがこの果糖の摂りすぎとも考えられています[#]Hannou, Sarah A., Danielle E. Haslam, Nicola M. McKeown, and Mark A. Herman. 2018. “Fructose Metabolism and Metabolic Disease.” The Journal of Clinical Investigation 128 (2): 545. 。ちなみに、果糖を摂っても血糖値はすぐに上昇しないため、満腹感がありません。そのため、果糖を多く含く食品は過食につながりやすいということも知っておいてください。

 

・砂糖と虫歯

口腔内の虫歯菌は、砂糖を分解しブドウ糖を餌にして、歯の表面に粘着しやすい不溶性グルカンを生成しながら増殖していきます。甘い物を食べると虫歯になりやすいと言われるのはこのため。白米のような炭水化物も唾液によって麦芽糖などに分解され、虫歯の原因になります。どっちにしろ歯の健康には糖質は良くないのです。

 

 

・米のレジスタントスターチ

食物繊維のような形態を持つ炭水化物のレジスタントスターチは、血糖値の上昇を穏やかにしてくれる他、腸内細菌の“餌”にもなるため、腸内環境改善効果、血糖上昇抑制効果,脂質代謝改善効果(血液中のコレステロールや中性脂肪の低下など)が期待できると報告されています[#]Birt, Diane F., Terri Boylston, Suzanne Hendrich, Jay-Lin Jane, James Hollis, Li Li, John McClelland, et al. 2013. “Resistant Starch: Promise for Improving Human Health.” Advances in Nutrition 4 (6): 587. 。一度炊いたご飯をを冷蔵庫に入れるなどして冷や飯にすることでレジスタントスターチ化することができるため、白米が大好きな人は冷めたご飯のおにぎりなどを食べるようにするのが断然おすすめです。

【関連記事】「冷や飯でダイエット!?太らない炭水化物、レジスタントスターチ

 


 

 

まとめ~糖質制限で避けるべきは米? それとも砂糖?~
このように、健康へのマイナス面の観点から考えると、砂糖と白米は思ったほど違いはありません。低糖質ダイエットを始める場合、甘いものは意図的に避けたとしても、炭水化物は甘くないから食べていいと思っている人も多いと思います。しかし、科学的に見ると砂糖も炭水化物もどちらも食べ過ぎは体に良くありません。このことをしっかり認識した上で食事を考えましょうね。
 

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