疲労回復や美容効果、抗菌作用があると言われているクエン酸は、さまざまな食品や掃除用品、パーソナルケア用品などに含まれている化学物質です。なんとなくクエン酸は健康に良いとか、クエン酸は柑橘系のフルーツなどの天然由来というイメージが先行していることもあり、食品の成分表示に記載されているクエン酸は全て天然由来のものだと思われがちですが、実は、私たちが加工食品から摂取しているクエン酸のほとんどは天然由来ではないのです。今回は、意外と知られていないクエン酸について深堀りしていきます。
天然由来と人工の2種類あるクエン酸
レモンやオレンジやグレープフルーツなどの柑橘類に含まれる天然有機化合物であるクエン酸。しかし、実際に食品添加物として使用されるクエン酸は人工のものがほとんどなのです。使用目的は腐敗防止や変色防止、PH調整剤や味の調和やフルーツ系の酸味を付与するための酸味料など。清涼飲料水、飴などのお菓子、ジャムなど、特に柑橘系の風味のある加工食品に含まれています。人工のクエン酸は天然由来のクエン酸と分子構造が同じため安全性も高いと言われていますが、人工のクエン酸の製造過程には少々問題があると言われています[1]。